マッチングで最も意識したのは、印象に残ること
マッチングの受験者は共通点ばかり
大学ごとの校風があるとはいえ、医学生である以上、大学生の間に勉強した内容や部活動は医学生の間で大きな差はありません。
意識して自分のオリジナリティをアピールしなければ、ほかの受験者ではなく自分を採用してもらう理由がなく、マッチングでアンマッチとなる可能性が高まってしまいます。
マッチングで印象に残るためにはどうすればいいのか?
マッチングで印象に残るために必要なことは、相手の感情を動かすことです。
そして、相手の感情を動かすために最も大切なことは、共感を得ることです。
共感を得るには、自分が伝えたい内容を誰もが経験したことがあるような状況や言葉に落とし込んで話す必要があります。
そこで私が意識したのは、少しでも具体的にエピソードを話すことです。
自分の経験を話すのであれば、自分が話した言葉から状況が想像できるかどうかを、具体的かどうかの基準にして面接で話す内容を構成していきました。
自分の話す内容から、相手が状況を想像できるぐらい具体的に話し、共感を得られることを目指す
マッチングでオリジナリティを出すにはどうするか?
マッチングでオリジナリティを出す方法として以下の2点が挙げられます。
- レアな業績をアピールする
全国大会出場やレアリティの高い部活に入っていたなどがこれに当たります。
- 他人が実践していることでもそのやり方のオリジナリティをアピール
医学の勉強は、医学生であればしていますが、私はAnkiというアプリを使って、医学の勉強に対する自分の継続力を最大化することを意識していたのでそのことについて話しました。
具体的な勉強方法はこちらの記事で紹介しています。
【医学生向け】AnkiとQ-Assistを使った医師国家試験の勉強法
その他にも、部活動で直面した問題を解決した経験などがあれば、積極的に面接でアピールするといいのではないでしょうか。
マッチング面接対策のために準備した質問と回答
なぜこの病院を選んだのか。
マッチングの面接ではほぼ100%聞かれると思います。
「3次救急まで受け入れている」、「全国から学生が集まる」といった文言は有名病院であれば、面接で使いやすいですが、そのような条件を満たす病院は全国を見渡せば、いくつもあります。
その部分を深く突っ込まれる可能性があり、私自身もその点について突っ込まれました。
その突っ込みに対する返答として、「病院見学で研修医の先生と話して、こういう雰囲気が自分に合うと思った」「スタッフの方々に丁寧に接していただき、自分もそのような環境で働きたいと感じた」など、病院見学をした際の感想を盛り込むと回答にオリジナリティが生まれやすいです。
また、その病院でなければならない理由として納得してもらいやすいと思います。
マッチングの面接では、どんな質問には滞りなく、ある程度の回答をしていくことが重要です。
このような絶対に聞かれる質問に対しては、突っ込まれる準備をしておくと安心です。
将来の進路は?
大学病院などの大きな病院では、志望科が採用に与える影響はほとんどないと思います。
内科何名、外科何名といった具合に大まかな進路ごとに採用人数を決めている病院もあるようなので、事前の情報収集が大事になるようです。
科ごとの採用がないような病院では、気にせずに自分の興味のある診療科を答えてOKだと思います。
その診療科に興味を持ったきっかけなども具体的なエピソードとともに準備しておくとより安心です。
他の病院の採用試験は受けるか?
この質問は、市中病院の面接で聞かれました。ほんとにこの子がうちの病院を第一希望で出してくれるかを見るためと考えられます。
ただ、マッチングのシステム上、その病院を「第一希望」と言っておかないと不利になるので、「第一希望」というしかありません。
チーム医療についてどう考えているか?チーム医療における医師の役割とは?
この質問もマッチング面接では頻繁に聞かれる質問です。
この質問を学生に対して投げかけることで、専門職同士でチームの調和を乱さずに行動できるか人かどうかを確認していると考えられます。
チームで医療をすることの最大のメリットは、異なる専門を持つ人たちの知識を統合して診療することができることだと思います。
そして、そのために必要なことは2つあり、自分の持っている知識を的確にほかの医療者に伝えることと、ほかの医療者から必要な情報を引き出すことです。
そのために研修医ができることは、いつでも担当患者さんの診療情報をプレゼンできるように準備しておくことと、専門が異なる人同士でコミュニケーションを取る際に障壁にならないよう、略語・専門用語を多用しないように気を付けること、の2点だと思います。
合わない人がいたらどうするか。
マッチングを受けた医学生が自分たちの職場でうまくやっていける子なのかを見極めたいという質問なのでしょうか。
まず、「合わない」ことが、その合わない相手と自分の間の個人的な相性の問題なのか、合わない相手に問題があるのかを見極める必要があります。
そのために、自分と同じ立場にいる同僚に「合わないと感じる相手」について尋ねるなどするといいと思います。
そのうえで、個人的な相性の問題であれば、公私混同せず自分のネガティブな感情を職場に出さないよう気を付けるべきかと思います。
もしも、「合わないと感じる相手」に問題がありそうであれば、自分の上司に当たる方に相談し、配置転換を考慮するなどが対応策として挙げられます。
好きな言葉は?
シンプルに好きな言葉を答えました。
なぜその言葉が好きなのか、そのきっかけとなるような具体的な体験を交えると印象に残りやすいと考えました。
マッチングでこの質問をされる理由は、いまだによくわかりません。
印象に残っている本は?
普段から本を読んでいる人でも、ふいに質問されると、印象に残っている本と理由を即座に答えるのは難しいと思うので、準備しておくといいと思います。
印象に残った理由を説明する際に、元々の自分の考えと本で学んだ新しい知識や考え方を対比させながら話すと、伝わりやすいかと思います。
留年について
留年生で、市中病院を受ける人は必ず、留年したことについて答えられるように準備しておく必要があります。
大学病院など、受験者が多い病院であれば、留年については聞かれない可能性が高いです。
答えるべき点として主に以下の2点があります。
マッチングにおいては、留年は不利な要素でしかないので特に2つ目をしっかり考えておく必要があります。
- なぜ留年したのか
- 留年から学んだことまたは、留年を繰り返さないために気を付けていること
最後に何か言い残したことはありますか?
この質問はマッチングに際して、全く準備していなかったため、かなり焦りました。
この質問をする意図はいまだによくわかりませんが、とっさの対応力を見たり、受験者に出し惜しみがないようにしていたりするのかなと思います。
マッチング面接本番で聞かれても大丈夫なよう、念のため準備しておくといいと思います。
その他に気を付けたこと
- ゆっくり話す。焦らない。面接官は自分の話を聞くことに集中してくれているはずなので、しっかり伝わるよう、ゆっくり、目をみて話す。
- 抑揚をつけて話す。面接の準備はしておくが、あたかもその場で考えたことを話しているような印象を与えることを意識しました。
参考にした本
日本全国のマッチングに参加している病院の面接で聞かれた内容や面接の実施状況などが体験談として詳しく載っています。
こちらの記事もおすすめ
医学部マッチングの筆記試験対策についても紹介しています。