はじめに
私は116回 医師国家試験 を受験し、現在研修医として働いています。
その経験を踏まえて、「次にもう一度国家試験を受験するなら」という視点で準備しておくといいもの、前日の勉強内容などを紹介します。
役に立ちそうだと思ってもらえたら、是非ブックマークして国家試験前日までのチェックリストとして使ってみてください。
この記事はこんな方におすすめ
- 医学生の方
- 医師国家試験 前日の過ごし方に迷っている方
- 医師国家試験 を実際に受けた人の感想が聞きたい方
- 1日目の採点をするべきか迷っている方
国家試験の持ち物
医師国家試験 で必ず必要なもの
- 受験票
- 腕時計
- 鉛筆
- 鉛筆削り
- 消しゴム
- iPadなどいつもの勉強道具
受験票
最重要。
他のどの持ち物よりも大切です。
荷物を詰めるとき、寝る前、ホテルや家を出発する前、国家試験会場に着いたとき、など忘れてないか何度も確認しました。
腕時計
試験会場には時計が置いていないため、持って行ったほうがいいでしょう。
医師国家試験本番では、残り時間半分、残り30分などのタイミングでアナウンスがありますが、大まかな時間しか把握できません。
腕時計もほぼ必須アイテムです。
鉛筆、消しゴム
シャーペンだと机の上に置けない可能性もあるので、必ず鉛筆を準備しておきましょう。
国試当日は筆箱を含めて、鉛筆と消しゴム以外のものを机の上に置くことはできません。
鉛筆削り
国試では試験中に鉛筆削りを机の上に置いておくことはできず、必要な時に試験管に申し出て使うことができます。
試験時間中だと、鉛筆を削るだけでも挙手で試験管に知らせる必要があります。
試験官が他の人の対応などしていると無駄な時間を消費してしまうので、なるべく休み時間中に削っておくといいでしょう。
医師国家試験 であるといいもの
- iPadなど勉強道具
- スマートフォン(音楽プレーヤー)と充電器
- イヤホン
iPadなど勉強道具
普段使っている勉強道具でこれまでの復習をすることは、国試前日の精神安定剤にもなります。
教科書などはほとんど見なかったので、これまでメインで使ってきた予備校のテキストがあれば十分だと思います。
スマートフォン(音楽プレーヤー)・イヤホン
スマートフォンは、会場で主に音楽プレーヤーとして使いました。
試験開始後は、スマートフォンの電源を切った状態で封筒に入れて机の上に置いておかなければなりません。
試験中にスマートフォンが鳴ってしまうと、不正行為とみなされるのでどうしても心配という方は、音楽プレーヤーのみを持ち込むのがいいかもしれません。
イヤホンは、ノイズキャンセリング機能付きだと会場のざわつきが気にならず、一人の空間を作れるのでおすすめです。
コロナ対策であるといいもの
- マスク
- 手指消毒用アルコール
- ウェットティッシュ
- カロナール
マスク、手指消毒用アルコール、ウェットティッシュ
コロナにならないための準備です。どれだけ準備してもし足りません。
ホテルの部屋から出て、部屋に戻るたびに消毒しました。
カロナール
万が一、コロナになってしまった時の対策です。
もしもコロナになったら、何とかして熱を下げて国試会場に入らなければすべてが水の泡になってしまいます。
ちなみに、私の国家試験会場では体温測定は一人一人に体温計を当てて測定するのではなく、サーモグラフィでチェックしており、そこまで厳しくないように思いました。
ホテルに泊まる際の注意点
ホテル近くのコンビニは早めに行く
国家試験会場近くのホテルに泊まるなら、ホテル近くのコンビニは早めに行きましょう。
多くの人が利用するため、行く時間が遅いとごはん系はかなり品薄な状態でした。
ホテルの乾燥対策
国試会場が大学のある県ではなく、医師国家試験中は会場近隣のホテルに泊まる受験生も多いと思います。
私もそのうちの一人でした。
ホテルに泊まる際に心配なのが部屋の乾燥による、体調不良です。
そこで、何としてもホテルの部屋を乾燥させないためにも、ホテルに着いてから行った乾燥対策を紹介します。
- 加湿器をつけっぱなしにする
- 濡らしたタオルを干しておく
- 寝る前に湯船に水貯める
加湿器をつけっぱなしにする
ホテルに着いたら、加湿器を付けましょう。
ホテルを自分で予約する場合、加湿器の貸し出しや備え付けのものがあるかのチェックも重要です。
濡らしたタオルを干しておく
どこまで効果があるか分かりませんが、少しでも湿度を上げるために、お風呂上りに体を拭いたタオルなどを部屋にかけておきました。
寝る前に湯船に水貯める
一日目はしていませんでしたが、一番乾燥対策として有効だったような気がします。
お風呂から上がったら、湯船の栓をして部屋とお風呂をつなぐドアを開放しておきました。
医師国家試験 前日の勉強について
国家試験前日は、何をやればいいか迷うと思います。
何かを始めるには、時間がなさすぎるし、かと言って何もしないのは落ち着かないものです。
そこで、私が実際に国家試験前日にした勉強をご紹介します。
スコア系の見直し
そこで、私は覚えておけば必ず得点できるスコア系や紛らわしい治療薬を一通り見直しました。
スコアが問われる問題は、覚えておきさえすれば得点できるので、コスパが良い上に、覚えていなかったときのダメージは計り知れません。
国家試験本番でのダメージを少しでも減らすため、一通り確認しておくのがおすすめです。
私は、QBを解きながら、あとで見直しておきたいと思ったスコアをメモしておき、国試前日にはこのメモに沿ってスコアを復習しました。
国試直前にこの記事を読んでいただいている方向けに、実際に国家試験前日に確認したスコアの一覧を張っておくので、よかったら参考にしてください。
医師国家試験 前日に見直すべきスコア・治療薬一覧
- 意識障害(JCSとGCS):救急
- 脱髄疾患(GBS、MS、NMO、CIDP)の治療薬(ステロイドは有効か?):神経
- TIA(一過性脳虚血発作)のABCDDスコア:神経
- 悪性リンパ腫の国際予後指標:血液
- メタボリックシンドローム診断基準:内分泌
- 透析導入基準:腎臓
- 急性腎障害の診断基準:腎臓
- chads2スコア:循環器
- A-drop:感染症
- SOFAスコア:感染症
- SIRS:感染症
- 急性膵炎の重症度分類:肝胆膵
- child pugh分類:肝胆膵
- Bishopスコア:産婦人科
- Apgarスコア:小児
QBの間違えた問題見直し
前日の勉強としてやること2つ目は、これまで間違えた問題の見直しです。
この見直しがしやすいように、オンライン版のQB(クエスチョンバンク)を使っている方は、付箋や解答と共に表示される「◎」「〇」「△」「×」を使い分けて、あとで見直したい問題に、決まった印をつけるようにすると、スムーズに復習できると思います。
国家試験会場に着いたら
国試会場に着くと、受験番号ごとに座席の列が分かれているので、受験票を準備しておきましょう。
座席は、同じ大学の受験生が前後左右にかぶらないように配置されていたので、四方を他大学の人に囲まれるような配置になります。
ただ、2個前、2個後ろ、斜め前後の座席には、同じ大学の人がいますので、安心してください。
国試の休み時間は思ったより長くない
国家試験の各ブロックごとの合間には、休み時間が設けられていますが、「説明開始時刻」には着席しておかなければなりません。
そのため、休憩時間はお昼休憩が55分、C・Fブロック前の休憩が35分です。
ご飯や軽食を食べたり、トイレに行ったりしていると、あっという間に時間を使い切ってしまいます。
特にトイレは混雑するので、休み時間が始まった瞬間または、終わりかけにいくことをおすすめします。
第116回医師国家試験の受験者留意事項はこちら
試験が始まったら
本番で初めて感じるプレッシャー
ある程度勉強をしてきた方であれば、最終的な戦いは「必修」と「禁忌」です。
国試本番では、その場でしか味わうことができない独特の緊張感、プレッシャーとの戦いでした。
必修
必修の3点問題を解いている時の、緊張感は何にも代えがたいです。
「悩ましい問題はでるな」と、祈るような気持ちでした。
悩ましい問題は、みんなにとっても悩ましいということを忘れず、
「みんなが選びそうな選択肢を選ぶ」ことを忘れないようしてください。
必修の悩ましい問題は、削除問題になることもあります。
もし悩んだら、トリッキーな選択肢は選ばず、「みんなが選びそうな選択肢を選ぶ」のが無難です。
また合格基準は8割なので、20点分は落としても問題ありません。
つまり、3点問題×6問に加えて1点問題×2問は間違えてもいいのです。
3点問題は配点が3点とはいえ、必修の問題であることに変わりありません。
深読みしすぎず、「まずは、ABCの安定化から」「まずは、患者の意見を傾聴する」などの必修でよくある問題形式に慣れておくといいと思います。
禁忌について
特に国試一日目は、普段と違う雰囲気であることもあり、禁忌に対する恐怖を強く感じました。
「もし今日二つ禁忌を踏んでいたら、明日は一つしか踏めない」
「この選択肢は引っかけで禁忌かもしれない」
など、謎の不安に駆られてしまいました。
「戦略的撤退」という選択肢
正解と思われる選択肢が、「禁忌」であるという不安がどうしても拭いきれない場合、あえてその選択肢を選ばず、「明らかに正解ではないが禁忌でもない選択肢」を選ぶ、「戦略的撤退」というやり方もあります。
その1問は捨ててしまうことになるますが、「禁忌を踏んだかもしれない」という不安を抱えずにそれ以降の試験を受けることができます。
一般臨床問題の場合、1問1点で計300問の300点満点なので、合計点における1問の占める配点割合は、0.33%に過ぎません。
「戦略的撤退」によって0.33%を失うよりも、禁忌に怯えながらその後のブロックを解いていく、精神的な不安定さの方が得点に与える影響が大きいと判断される場合には、撤退することも考えましょう。
国試1日目が終わったら
一日目は、普段と違う会場、雰囲気で非常に疲れました。
特に、Aブロックはいつもと違う雰囲気で、なんとも言えない緊張感でした。
1日目の採点はするべきか?採点した結果、、、
私は1日目の夜に必修は採点し、その他のブロックも正確な点数までは計算していませんが、大まかに間違えた問題を数えました。
元々、1日目終了後に採点するつもりはなかったのですが、必修が8割あるかどうかがどうしても気になり、手ごたえとしても8割を切っていないと感じていたため、採点しても大きな精神的ダメージはないと考えたためです。
もしも、必修の手ごたえが悪ければ、採点はしていなかったと思います。
仮に採点した結果、必修が8割なくても2日目にできることはケアレスミスをなくし、自分の実力を最大限発揮することだと覚悟を決めたうえで採点しました。
結果的には、必修は自己採点で9割あったため、落ち着いた精神状態で2日目を受験することができました。
国試2日目が終わったら
2日目が終わってしまえば、約2カ月弱の長期休みの始まりです。
国試採点サービスで回答を入力すれば、Amazonギフト券が貰えますので、元気があれば入力しておきましょう。
私が受験した年は、「medilink」、「MEC」、「TECOM」、「みんこれ」の4サイトで入力して、それぞれ1000円から4000円のギフト券を貰いました。
最後に
医師国家試験は、9割の人が受かるからこそ、メンタル勝負の要素はかなり大きいと感じました。
9割の人が受かる試験とはいっても、いざ自分が本番の会場に行き、合格点を超える点数を獲得することは決して簡単なことではないと思いました。
不確実な情報に流されず、自分が使ってきた教材や積み重ねてきた経験を信じて、頑張ってください。
こちらの記事もおすすめ
サイトトップはこちら。